九月

 

 

露草の露ひとしづく涙とも

 

 

颱風にめげず頑張る蜘蛛の糸

 

 

はかなくて大きく淡く秋の虹

 

 

カナディアンロッキーの月さやかなり

 


 

十月

 

 

手作りのケーキほほばる秋日和

 

 

秋日和流鏑馬楽しむ子も親も

 

 

から松にからみつきをり蔓紅葉

 


 

十一月

 

 

新潟の新米弁当買ふてみる

 

 

石蕗の花静なる庭に咲く

 

 

暮れ早し三時のおやつの頃なのに

 

 

日当たりに狂ひ咲見て寂しからん

 

 


 

十二月

 

 

太陽を背ナに集めて庭小春

 

 

冬うららゆるり二人の浜離宮

 

 

冬山の不動明王神の瀧
              (俳句用語用例小事典にのる)

 


和の香とっぷ