卯月
 
新緑の池を廻りて雨にあふ
葉桜や雨の池には寂し過ぎ
春雨やひとりの生活羨さるる
鳥帰る生きるってすばらしいなあ
椿咲く垣根に猫の日なたぼこ
次々と色々な色チューリップ
待ちぼうけむらむらとして春衣
 

 

 


 

皐月
野も街もわたしの心も更衣

 

週末は三社祭だ晴れになあれ
糖買って筍掘りの準備して
なによりの馳走はあたたかき心
庭いっぱいつつじの香りするやうな
赤と白仲良く咲いて庭つつじ

 

 

 


 

水無月
太陽を求めきそひて茂りをり
百円の夢買ふてみるラムネかな
梅雨寒やひとりの夜は長かりし
     
黒南風や黄色い服は目にまぶし
     
あの方のいつもの新茶とどきけり
逢えること生のよろこび麦の秋
泰山木花一輪の香気かな
ぼうたんが咲いて嬉しやお礼肥
あのこともこのこともせず夏迎ふ
テニスコート打つ音初夏の風を切る

 

 


和の香とっぷ